シェフが愛する
阿波尾鶏極上レシピ集

第6回 宮本雅彦シェフの「熟成阿波尾鶏もも肉のチキンキエフ」
「熟成阿波尾鶏のガランティーヌ」
第6回目のプロフェッショナルは、東京・港区六本木でフランス料理店を営む「トレフミヤモト」の宮本雅彦さんです。
フランスの鶏の名産地で経験を積まれたシェフに、フランス料理や鶏について伺いました。
レシピ1:熟成阿波尾鶏のチキンキエフ
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材料 4人分
熟成阿波尾鶏むね肉 2枚 塩 小さじ1/2 こしょう 少々 薄力粉 適宜 溶き卵 1個 パルメザンチーズ 大さじ1 パン粉 適宜 揚げ油 適宜 レモン 適宜 ◎香草バター(作りやすい分量)
無塩バター(室温に戻す) 200g パセリ(茎を除く) 2本 にんにく(おろす) 1片 塩 大さじ1 こしょう 少々 リキュール・リカール又はペルノ 大さじ1/2 ◎トマトソース(作りやすい分量)
トマトホール缶 1缶 玉ねぎ 1/3個 セロリ 10cm にんにく 3片 オリーブオイル 大さじ4 生クリーム 大さじ2 塩 小さじ3/5 こしょう 少々
作り方
- 香草バターを作る。
パセリをフードプロセッサーで細かくし、6等分に切ったバターを2回に分けて入れ、更に混ぜる。にんにく、塩、こしょう、リカールを加え、なめらかになるまで攪拌する。2cm厚さにバットに広げ、ラップをかけて冷蔵庫で冷やし固める。
- トマトソースを作る。
玉ねぎは3cm角に、セロリは2cm長さに切る。鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけ、香りが出てきたら玉ねぎとセロリを入れてしんなりするまで炒める。トマト缶を加え、水分が無くなるまで弱火で煮詰める。最後に生クリームを加えてミキサーにかけ、なめらかに仕上げる。 - むね肉は皮を外し横長に置いて斜め半分に2等分し、それぞれ観音開きにして厚みを均等にする。塩とこしょうをしてラップにはさみ、破けないように気を付けて肉叩きなどで薄く広げる。
- 3に2cm×4cmの長方形に切った香草バターをのせ、肉を密着させるように包み、形を整える。
- 4に薄力粉、バルメザンチーズを加えた卵液、パン粉の順につけ、更に卵液、パン粉を重ねてつけて冷蔵庫で10~15分休ませる。
- 5を165℃の油でころがしながら4~5分揚げて一度取り出し、1~2分休ませてから更に2分揚げる。
- 6を皿に盛り、温めたトマトソースとレモンを添える。
- 香草バターを作る。
レシピ2:熟成阿波尾鶏のガランティーヌ
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材料 6~8人分
熟成阿波尾鶏もも肉 2枚 塩 小さじ1/2 こしょう 少々 ブランデー 大さじ1 マデラ酒 大さじ1 薄力粉 適量 ◎フィリング
熟成阿波尾鶏もも肉切り落とし*1 70g 熟成阿波尾鶏ももひき肉 80g 熟成阿波尾鶏レバー・ハツ 50g 豚ひき肉 50g 玉ねぎ(みじん) 1/6個 生きくらげ(みじん) 大1枚 パセリ(みじん) 小さじ2 にんにく(おろす) 少々 ピスタチオ 大さじ4 塩 小さじ1弱 こしょう 少々 ナツメグ 少々 溶き卵 15g ブランデー 大さじ2 マデラ酒 大さじ1 *1 作り方1で切り落とした肉
作り方
- もも肉は厚みが均一になるように包丁を入れ、端を落として四角形にする。両面に塩とこしょうをし、ブランデーとマデラ酒をふりかけ、ラップをして冷蔵庫で一日おく。
- フィリングを作る。
1の切り落とし肉は2cm程度に切る。レバーとハツは白い部分と筋を取り除き、ハツは切り口から出る血もこそげ取り、それぞれ1cm程度に切る。
全ての材料を粘りが出るまで混ぜ、ラップをして冷蔵庫で一日おく。
- 大きめに切ったラップに1の皮側を下にしておき、薄力粉をふり、2の半量を細長くおき、手前からラップを利用し締めながらしっかりと巻く。転がして棒状に整え、ラップの端をしっかり縛る。更にもう一枚ラップを重ね同様に巻く。
- 3をアルミホイルで2重に巻き、5か所をたこ糸で縛る。バットに入れて8分目まで水をはり、160℃のオーブンで1時間10分加熱する。途中2回上下をかえす。
- バットから取り出し、冷めてから冷蔵庫で寝かせる。
- 1.5cm厚さに切り、ラップとアルミホイルを外して皿に盛り、お好みのソースや煮詰めたバルサミコ酢を添える。
Masahiko's point
- 鶏肉もフィリングも一日おくことで、具全体がなじみます。
- フィリングのレバー・ハツはレバーだけにしてもいいです。
- アルミホイルやたこ糸は、場所によって膨張率が異なるので、美しい形に仕上げるために使います。
- 加熱後は、冷蔵庫でしっかりと寝かせ、一週間後からが香りも食感もとてもよく、美味しくなります。
インタビュー
- Q:鶏肉はお好きですか?
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好きですね!近所の焼鳥屋で阿波尾鶏を出しているのでよく食べています。もも肉やぼんじりが好きです。
タイの屋台では「カオマンガイのごはん抜き、鶏2倍」とオーダーしたら驚かれました。タンドリーチキンも好きです。
- Q:「熟成阿波尾鶏」は、水冷時間を極力短くし、骨付きのまま空冷、熟成を経て解体するという独自の処理をしています。いかがでしたか?
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今回はレバーとハツも使いましたが、色や艶がよく、触った感じからも内臓は特に状態がいいと思いました。
もも肉もむね肉も肉が大きく、臭みもない。日本の他の鶏に比べドリップも少なく、どれも美味しかったです。
- Q:世界一の鶏と言われる「ブレス鶏」の産地にある三つ星「ジョルジュ・ブラン」で、アジア人としては初めてソーシエとして経験を積まれました。
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ニースにいた時に知った「ジョルジュ・ブラン」で働きたくて手紙を書いたのですが、あっさり断られました。それでも、なんとしてもここで働くと決め、さまざまなレストランで経験を積む途中、何度も手紙を書きました。
そのうちトップシェフたちの人間関係も知り、ブランさんと仲のよいランド地方の三つ星「ミッシェル・ゲラール」で働き、ようやく念願の採用となりました。
開店時からのシグニチャーメニュー「鶏のクリーム煮」をはじめ、鶏メニューだけで12もあり、首の皮に詰め物をする料理や、「ソレリス」といわれる腰肉だけを使う料理など、他にはない特殊な料理も多く、部位を細分化して使うので捌き方も全く異なります。
ソーシエとは文字通り「ソース係」。フランス料理の要で肉料理の担当でもあり、様々な肉を扱いましたが、フランスの肉は鶏に限らず、豚も牛も日本より水気が少なく味が濃い。
処理の仕方も違うのだと思います。
- Q:今日教えていただく料理について、コツも教えてください。
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ガランティーヌは、主に鶏肉や魚に詰め物をし、円筒形に整えて茹で、冷たい前菜にする料理です。
今回はひき肉に加え、もも肉の切り落とし、レバー、ハツ、ピスタチオなどを入れて食感よく仕上げています。ラップで2重に巻いた後、アルミホイルも2重に巻き、たこ糸で数カ所留めます。面倒なようですが美しい形に仕上げるひと手間です。
チキンキエフは、叩き伸ばしたむね肉でバターを包み、衣をつけて揚げたもの。熱々をカットすればハーブバターがあふれ出すチキンカツです。
コツは、肉を叩く時に破かないよう丁寧にして、包む時に空気を入れないことです。衣は二重につけて揚げます。
家庭で鶏料理を美味しく作るコツは2つ。買ってきた時に水分があれば、しっかり脱水すること。もう1つは、常温に戻して優しく火入れをすること。いきなり強火で加熱すると縮むため、柔らかく火を入れるイメージを持ってください。
どちらの料理もポイントさえおさえればご家庭でも上手に出来ます。僕がフランス修行にいく前から日本のレストランでも出していたクラッシックなフランス料理だけど、いま食べてもすごく美味しい。フランス料理の基本が詰まっています。ぜひ挑戦してみてほしいですね。




シェフのプロフィール


1961年生まれ福岡県出身。1988年渡仏。
「フェルム・ドムージャン」「ベルナール・ロバン」「ミッシェル・ゲラール」「ジョルジュ・ブラン」等のミシュラン星付きの名店でポワソニエ、ソーシエなど主要ポジションを歴任。
その後、「3fff トレフ」料理長として活躍。
帰国後、西麻布に「クリニャンクール」オープン。
移転、店名も一新「トレフ ミヤモト」オーナーシェフとして現在に至る。
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