シェフが愛する阿波尾鶏極上レシピ集

笠原将弘シェフの「熟成阿波尾鶏皮パリ焼き 長芋黄身おろし すだち」「熟成阿波尾鶏炊き込み御飯」

第7回 笠原将弘シェフの「熟成阿波尾鶏皮パリ焼き 長芋黄身おろし すだち」「熟成阿波尾鶏炊き込み御飯」

第7回目のプロフェッショナルは、東京、恵比寿の予約が取れない人気店、日本料理の「賛否両論」の笠原将弘さんです。
大の鶏好きとして知られるシェフにむね肉の極上の焼き方などを教えていただきました。

レシピ1:熟成阿波尾鶏皮パリ焼き 長芋黄身おろし すだち

材料 2~3人前

熟成阿波尾鶏むね肉 1枚
少々
サラダ油 大さじ1
少々
黒こしょう 少々
サンチュ 適宜
すだち 1個

◎黄身おろし

長芋 50g
大根 100g
黄身 1個
少々
熟成阿波尾鶏皮パリ焼き 長芋黄身おろし すだち
材料

作り方

  • 黄身おろしを作る。
    大根は皮を剥き、すりおろして水気をきる。長芋は皮を剥き、粗く食感が残るまで包丁でたたく。大根と長芋、卵黄を混ぜ合わせ、塩で味を調える。
  • むね肉は、余分な脂や皮があったら取り除き、観音開きにして厚さを均等にし、身に塩をふる。
  • フライパンに油を入れ2の皮目を下にしてフライパンに押し付けてから火をつけ、皮目からパリッと中火で焼く。肉のまわりが白くなってきたら返し、弱火で約4分焼き、火を止めそのまま余熱で火を通す。(皮目7:身3の割合で焼く)
  • 3をひと口大のそぎ切りにし器に盛り、塩、こしょうをふる。すだちとサンチュ、1を添える。
調理風景 調理風景 調理風景 調理風景
Masahiko's point

Masahiro's point

  • フライパンが冷たいうちに肉を入れることで、慌てずに肉をフライパンに押し付けることができます。時々向きを変えながら焼くと、皮に焼き色が均一につき、パリッと焼けます。
  • 余熱で肉に火を通す時は、蓋をしないこと!皮のパリッとさが損なわれません。
  • サンチュで巻いたり、すだちや長芋黄身おろしと、いろいろな食べ方を楽しんでください 。

レシピ2:熟成阿波尾鶏の炊き込みご飯

材料 4~5人分

熟成阿波尾鶏もも肉 1枚
ごぼう 50g
人参 50g
椎茸 2枚
セリ 3本
2合

◎下味

砂糖 小さじ2
醤油 小さじ2

◎合わせ調味料

340cc
だし昆布 3g
薄口醬油 30cc
30cc
熟成阿波尾鶏の炊き込みご飯
材料

作り方

  • もも肉は筋や骨があれば取り除き、下味をもみ込み15分おく。
  • 米は研いで30分浸水し、ザルに上げ水気をきる。
  • ごぼうはささがきにし、さっと洗い水気をきる。人参は3cm長さの細切りにし、椎茸は薄切り、セリは小口切りにする。
  • 土鍋に米と合わせ調味料を入れ、3のセリ以外の野菜を均一にのせ、肉の皮目を下にしておき、蓋をして強火にかける。沸いたら中火で5分、その後弱火で15分したら火を止め、5分蒸らす。
  • 鶏肉と昆布を取り出し、鶏肉は食べやすい大きさに切り、昆布は細切りにし、土鍋に戻して、セリを散らす。
作り方
作り方
作り方
Masahiro's point

Masahiro's point

  • 肉に砂糖で下味すると、保水効果でジューシーに柔らかく仕上がります。
  • 肉を切らずに炊き込むことで、肉のうま味が抜けず、ご飯も肉も美味しく仕上がります。
  • 炊飯器でも同じように作れます。

インタビュー

東京、恵比寿の予約が取れない人気店、日本料理の「賛否両論」の笠原将弘さんにお話しを聞きました。

Q:大の鶏好きとして知られていますね。
笠原将弘
焼鳥店をやってた父の姿を見て育ったからね、いまの店を始める前は父を継いで焼鳥屋やってたし、鶏は大好きだよ!子供の頃から毎日のように食べていたけど、飽きないね。店でもよく提供するよ。
Q:お店ではどんな料理になさっていますか?
笠原将弘
シンプルに焼くことが多いね、鶏がおいしければ、シンプルに食べるのが一番だと思っている。
ごはんにすることも多いよ。今日もごはんを1品紹介するけど、鶏の旨みがごはんに浸みて旨いんだ。
Q:今回お送りした阿波尾鶏は、いかがでしたか?
笠原将弘
炊き込みごはんに使うもも肉は、身がつやつやして、やや赤みがかったピンク色、ハリや弾力もあっていい肉質だね。
これまでも食べたことも使ったこともあるけど、地鶏らしい歯応えや旨味があるいい肉だね。
Q:鶏肉は、長距離を移動する渡り鳥やマグロの肉に多く含まれるイミダゾールペプチドという疲労回復成分があって、特に阿波尾鶏むね肉に多いことが分かっています。
笠原将弘
身体を鍛えている人が鶏むね肉をよく食べているよね。昨日までスペインに行っていたんだけど、欧米では、もも肉よりむね肉がよく食べられている。日本のように細かな部位毎にはわけられていなくて、丸鶏で売られていることも多い。むね肉が好まれるのは、骨付きで売られているもも肉より使いやすいのもあるかもしれないね。
むね肉は「パサつきやすい」って苦手意識を持つ人も多いけど、火の通し方次第でとてもジューシーに食べられるし、ヘルシー。今日は美味しく焼けるやり方を伝授するよ。
まず、テフロン加工のフライパンにむね肉の皮目を下に置いてから点火、中火で加熱、7割ほど火を入れるイメージでじっくりと香ばしく焼きます。
「まだひっくり返さないの?」って思うくらいじっくりと火を入れるのがコツ。
周りが白っぽくなってきたらそろそろ皮目が香ばしく色づいている頃。それを確認して返したら、身側は弱火にして加熱、火を止めてフライパンにのせたまま、予熱でさらに火を通して出来上がり。パリッと焼いた皮目を活かすためにアルミホイルをかぶせてたりはしないよ。
Q:ビールのお供の鶏料理、好きな食べ方は?
笠原将弘
やっぱり焼き鶏、唐揚げが一番。素材の味を活かしてシンプルに食べるのが旨い!BBQにも必ず丸鶏を持っていくよ。
仕事で韓国によく行っていた時期があって、仕事終わりに飲みに行くと、深夜でもソウルのチキン屋は盛況で、チキンとビールのことを「チメク」っていうらしいんだ。ビールとチキンは最高の相性だね。

シェフのプロフィール

Masahiro Kasahara
笠原将弘

東京・恵比寿にある日本料理店『賛否両論』店主。
1972年東京生まれ。
名古屋、金沢にも直営店。
著書「鶏大辞典」「超鶏大辞典」(ともにKADOKAWA)「和食屋がこっそり教えるずるいほどに旨い鶏むねおかず」(主婦の友社)ほか多数。